シェアーズ通信

短期トレードにおける米国株・ETFの注目銘柄等を紹介しています。

短期トレード入門 - 戦略:相反する主張

トレードするための判断材料を提供する分析手法は大きくファンダメンタルズ分析とテクニカル分析に分けられます。

 

ファンダメンタルズ分析
  • 株式であれば企業の財務状況、業績状況等のデータを分析し、この結果を取引の判断材料にする。
  • テクニカル分析を併用して取引するトレーダーもいる。
  • 中・長期トレードに向いた分析手法。

 

テクニカル分析
  • 株式であれば株価の過去の値動きを分析し、この結果を取引の判断材料にする。
  • ファンダメンタルズ分析を併用して取引するトレーダーもいる。
  • 分析にはチャート(過去の値動きのグラフ)を使うのが一般的。また過去の値動きを統計処理等した指標(テクニカルツール)を使用することもある。

 

「ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析はどちらが優れているのか」という議論がありますが、どちらの分析方法にも成功者がおり、どちらの分析方法が優れているということを断定することはできません。どちらの手法が優れているかは取引する時間スケール、戦略、取引対象、自身の性格、動かす金額の規模等の様々な要因によります。私自身はテクニカル分析を採用しているため、このブログではテクニカル分析に絞って話をしていきます。

 

トレードの書籍などを読み漁っていくと、「ファンダメンタルズ分析こそ正しい」または「テクニカル分析こそ正しい」というような相反する主張によく出くわすことになります。よく考えるとこのような現象はトレードに限ったものではないのかもしれません。例えば私の趣味のテニスに関しては、「スピンサーブこそ基本のサーブだから、はじめからこれを習得すべき。」または「スピンサーブは初心者には難しい。スライスサーブをまず覚えるべし。」という相反する二つの主張に出くわします。趣味のテニスをやり過ぎたために私はヘルニア持ちになってしまったのですが、腰痛であれば「運動した方が早く治る」または「できるだけ安静にしていなければいけない」、「患部を冷やしたほうが良い」または「患部を温めたほうが良い」、「筋トレよりストレッチが大事」または「ストレッチより筋トレが大事」という具合です。

 

このような例は枚挙に暇がなく、学習者を混乱に陥れ、勉強すればするほどわからなくなるという状態に陥ります。トレードに関してもう少し例を挙げてみます。以下、SはStandardでどちらかと言うと教科書的に正しいと信じられている主張。NはNot Standardでどちらかと言うと一般的に間違っているとされる主張。対極にある主張なので、S極/N極の意味も込めています。

 

S) 順張り(トレンドフォロー)こそ正しい取引手法。高くなったら買え。逆張りは敗者のゲーム。

N) 逆張りこそ正しい取引手法。安くなったら買え。トレンドフォローは時代遅れ。

 

S) 資産を守るためにストップ注文は必ず置かなければいけない。

N) ストップ注文を置いてはいけない。ストップ注文は無駄に利を減らすだけ。

 

S) 手仕舞いシグナルを定義することにより利益を限定してはいけない。利益は伸ばせるだけ伸ばせ。

N) 仕掛けシグナルとセットで必ず手仕舞いシグナルも定義すること。

 

S) 仕掛けるタイミングこそ重要。手仕舞い方法は重要でない。

N) 手仕舞いするタイミングこそ重要。仕掛け方法は重要でない。

 

こうなると何を信じて良いのやら、いよいよ分からなくなります。混乱を誘うこれらの相反する主張は、「ファンダメンタルズ分析 vs テクニカル分析」のようにどちらも正解で、どちらも不正解と言えるでしょう。つまり繰り返しになりますが、どちらが正解かは時間スケール、戦略、取引対象、自身の性格、動かす金額の規模等の様々な要因によるということです。

 

相反する主張のどちらが正解かを評価するには、過去のデータを使って統計を取り、戦略のパフォーマンス・成績を見る必要があります。これはバックテストと呼ばれています。ある戦略におけるバックテストの結果が確かに優位性があることを示している主張の組み合わせが正解に近いです。統計の言っている客観的な結果こそが正解に近いと考えてください。注意しなければならないのが、統計結果はあくまで過去のデータを使っているということです。実際のトレードは未来に行われるため、この戦略のパフォーマンスが未来も再現されるとは限りません。また、バックテスト結果の解釈等にも主観の入る余地があることにも注意が必要です。